研究テーマ
新規アライン前駆体の創出を基盤とする反応開発
アラインは芳香環の二重結合の一つが三重結合となった高反応性化学種であり、親アライン体と呼ばれる化合物群との反応によって様々な化合物を与える有用な中間体です。アラインは不安定なため、前駆体と呼ばれる化合物から発生させて用います。用いる前駆体によって反応の条件や利用できる親アライン体が決まるため、より穏和な条件でアラインを発生する前駆体の選択が重要になります。
最近、当研究室では新規アライン前駆体としてo-トリアゼニルアリールボロン酸の開発に成功しました。この化合物は簡単に合成でき、室温・空気中で一年以上保存可能な安定な固体です。それにもかかわらず、シリカゲルと混合するという極めて穏和な条件でアラインを発生するという興味深い性質をもつことを見出しました。現在、本前駆体を用いた新たなアライン発生法の開発や、本前駆体の特長を活かした新たな反応の開発を進めています。
